自営業の経営者の方は、自転車操業の繰り返しで、とても将来の退職金なんて考えている余裕など無いという人も多い筈だ。
しかし、呑み代を削って、もし月に1万円でも余裕がでるようであれば、節税を兼ねて中小機構(独立行政法人
中小企業基盤整備機構)が運営する小規模企業共済に加入することをお勧めする。
毎月の掛け金は、1,000円から70,000円までの間で、500円刻みで設定することができる。
すでに、保険に入っているから必要ないと思う方もいると思うが、小規模企業共済は節税効果が全く違う。
通常の保険の場合、一年に何十万円という金額の保険を支払おうと、確定申告の所得控除は最高で50,000円と制限が設定されている。しかし、小規模企業共済の場合、月70,000円、年間で840,000円掛けた場合、その全額が所得控除になる。 (
http://www.smrj.go.jp/tkyosai/000771.html
) 確定申告をしたことのある人ならご存知だと思うが、小規模企業共済等掛金控除は社会保険料控除の次に記入する欄がある。国が全額出資する中小企業基盤整備機構だから、そのような優遇措置があると言えるだろう。
しかし、この小規模企業共済は掛け捨てではない。一定期間の掛金を払込んであれば、退職時等の時にほぼ非課税(退職所得扱い)で共済金を受取ることができる。
更に、一時貸付という制度を利用することができる。銀行からの貸付と違い、加入者番号を証明する書類と必要な書類(印鑑証明、印鑑、収入印紙等)があれば、即日貸付を受けることができる。しかも、平成16年4月より、貸付利息は年1%と非常に低金利である。銀行からの貸付の場合、色々な書類の提出を要求されるが、それと比較すると非常に簡単に、しかも低利息で融資を受けることができる。
小規模企業共済は、自営業者の経営者が個人として加入するものであるが、中小機構が運営する法人向けの共済制度としては、「中小企業倒産防止共済制度」というものがある。詳しいことは、ここでは述べないが、取引業者が倒産した場合、掛金に応じてその10倍の金額(最高で3,200万円)を無利子で貸付を受けることができる。(返済期間最長5年) 中小企業であれば、それだけの金額を融資してもらえれば、連鎖倒産という最悪の事態を回避することができるであろう。
これらの制度も、小規模企業共済と同様に、掛金に応じて、貸付を受けることができる。貸付の利息は1.5%(平成16年11月現在)である。
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